ご挨拶

 

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属
共生のための国際哲学研究センター(UTCP)センター長
梶谷真司(東京大学大学院総合文化研究科・超域文化科学専攻)

「共生のための国際哲学研究センター」(UTCP:University of Tokyo Center for Philosophy)は、2002年から2012年までの10年間、文部科学省の21世紀COEプログラム・グローバルCOEプログラムとして、そして2012年4月からは研究科/学部附属のセンターとなり、上廣倫理財団より支援を受けて運営されてきました。以来私たちは、狭い意味での哲学ではなく、分野領域を越えて、国際的にも国内的にも、様々な人たちが出会い、協働する場を作ってきました。

これまでの活動を通して、私たちが目指しているものが明確になってきました。それはinclusionという言葉でまとめることができます。「いろんな人や物を巻き込んでいく」という意味で、まさしく共生の理念でもあります。それは、異なる思想や文化や民族、障がい者と健常者、子供と大人、女と男、動物と人間、機械と人間など、様々なものの共生です。ただしここで問題となるのは、調和や平和を連想させるような穏やかな共存ではなく、衝突や対立の可能性をもはらんだ緊張感のある関係です。そうして差異や隔たりを解消することなく、それでもなお関わり続けること、それがインクルージョンであり、UTCPの活動は、それ自体がこのような意味での共生の実践なのです。

2015年3月、COE時代からこれまで拠点リーダーとしてセンターを牽引してこられた小林康夫先生が退職なさいました。メンバー一同、彼の功績に敬意を表しつつ、そのスピリットを受け継いでセンターをさらに発展させていきます。

UTCPセンター長
梶谷真司



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