破急風光帖

 

★  日日行行(551)

2022.05.29

* またしても半月ほどブランクがあいてしまいました。どうも調子が戻ってきません。不調というわけではかならずしもないのですが・・・とはいえ、たしかに春に書いていた哲学的なテクストが行き詰まって、少しずらしたスタイルで書き直そうと考えたり、いろいろ「迷い」のなかにあることはたしかなのですが。

 先週は、財団の仕事で大阪に行ったり、いつものように東大EMPの講義もあったりと、結構、忙しくはしているのです。来月は、パリに行く予定になっていて、それまでに終えておかなければならない仕事も少しありと、どことなく忙しい日々でもある・・・でも、どこか、この時代から脱落していく感覚があるのかもしれませんね。自分が生きてきた時代といまの時代のあいだの感覚的なズレにとまどっていると言ってもいいかもしれません。まあ、それが「老い」というものでしょう、と言われてしまえば、それまでのことですが。
 このところは、わたしの専門からはとても遠い、量子力学、とりわけシュレーディンガー、その波動方程式をめぐって、関連書を読み、自分なりに考えようとしてきました。難題です。いまのわたしの(老いて衰えていく)能力には、まったく手に余るものなのですが、そこからなにかひとつ、学びを得ようと一応、努力しています。きっと、そうして毎日のように自分の無力を痛切に感じているからこそ、本ブログでなにかを言うことができなくなっているのかもしれません。と、これは言い訳を兼ねた自己分析でした。
 でも、先週の東大のEMP講義で、はじめてシュレーディンガーの波動方程式について、少しだけコメントさせてもらいました。そして、そのように人前で語ることによって、暗闇に一筋の光が差し込んだような気がしました。人の前で語ることができるというのは、ありがたいことです。それによって、なにかが揺れ、動きます。その「揺れ」を活かさなければなりませんね。


↑ページの先頭へ