破急風光帖

 

★  日日行行(262)

2019.09.21

* サウダージということかな?今週は「からっぽ」にしようと、「仕事」をしないことにして過ごしました。で、火曜に突然、思いたって、映画を見ようと。それで恵比寿のシネマに行って、たまたまそこで上映していたジョルジュ・ガショ監督の『ジョアン・ジルベルトを探して」を観ました。

 「ボサノヴァの神様」と言われるジルベルトを訪ねて、リオを訪れる映画監督の話(本人には結局、会えないのですけどね)。その下敷きには、ドイツ人が書いたジルベルトを探し訪ねる旅の本があるという二重、三重の構造(そのドイツ人もまた会えず、その本の出版の1週間前に自殺してしまうというオスティナート)。
 ボサノヴァをよく聞いているわけではないのですが、わたしの知らないリオの風景が展開して、音楽がかかって、謎があって、とても好きな映画でした。ドラマではない、なんでもないシーンに感動しますね。広場とか、空とか、浜辺とか。で、今日になって、ジルベルトのCDを2枚買ってきて、それを聞きながらこれを書いています。
 ほんとうは映画とっても好きなんですけど、あまり観ませんね。観るとそのイメージが数日間、頭のなかをぐるぐる回っていたりするので。そして、やはり映画館で観たいんですよね。家でDVDで観るのは好きではありません。映画は全身感覚なので。この秋、なんとか数本観ようかなあ、と思っています。
 でも、こうして、結局、わが「からっぽ」はボサノヴァのメランコリックな憧れのリズムで満たされてしまったのかもしれませんね。それもまたよし。Life とはリズムのことだものね。
 


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