破急風光帖

 

★  日日行行(230)

2019.02.26

* もうあと1時間で空港へ。でも、最後まで出来事がありました。

 昼は、またもやLe Selectでイレーヌさんとあって、わたしが書いた詩的テクストをふたりで検討したり、説明したり。彼女がグリーンランドを昨年旅行したときのスケッチを版画に起こした作品をプレゼントしてくれました(『午前四時のブルー』に掲載したシリーズです。でも、今回は金も入ってます)。彼女にとって、2年間すごしたハイファがやはりいちばん思いが残る街というので、わたしも行ったことがあるよ、と盛り上がりました。
 朝にメールがとびこんで、今回は会えないな、と思っていたマリオンさんから。夕食どう?と言われたのですが、今夜の帰国便ですというと、授業が4時からだけどその前なら、というので、3時にパリ1大学の建物にかけつけ、1時間だけ、会議室みたな部屋でふたりだけでお喋り。彼女は、いま、シャーマニズムの文化人類学の講義をしているようで、そこから、ピグミー族の現地に入った話から、メキシコのシャーマンの話、さらにはバリ島、日本の京都のことまで。でも、この時代、危機的、とふたりでうなずきあいました。この間、2月とは思えないほど暖かなパリ、青空に強い光、でもそれを喜んでいるだけでいいのか。フランスでは針葉樹林帯が消えつつある、と。少女のような明るい笑顔はかわらないのだけど、話は人類の危機について。これも濃密な1時間でしたね。会えてよかった。不思議な人です。
 朝は南仏のケイコさんからも電話。今回、南仏のことは、ブログに書きませんでしたけど、短いけど充実していました。ケイコさん、ミッシェルさんのおかげです。
 わたしのフランスをほんとうに味わった3週間でした。ちょっと異次元の出会いに満ちていました。Merci, merci, merci.


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