破急風光帖

 

★  日日行行 (158)

2018.06.04

* 京都にいます。いま、鴨川・高瀬川の岸をぶらぶら歩いて、濃さを増した緑のなか浅い水がさらさら、きらきらと流れるのをみてきたところ。東山が笑っていて、水は歌い、光のなか鳥たちが舞って、さて、橋行くひとの心はいかに?

 じつは、明日1日大阪で仕事(ある財団関係です)。でも、東京を1日半はやく出て、昨日は、下鴨神社、上賀茂神社などを、わたしにとっては表象の最後の学生であった菊間さんや原さんといっしょに、(なんというか?)調査、あるいは参拝、あるいは散歩しました。下鴨はかつて流鏑馬のときに、烏帽子直衣をつけて壇に登ったこともあったのだけど、上賀茂ははじめて。特別展観の時期で中にも入ることができて、明るい、静かな、いい時間を体験しました。神社の原型ともいうべき、ひとつの「開け」としてある明るさ。たまたまいろいろなタイミングが重なったからだけど、こういう体験を、若い人たちといっしょに、しかしある種の秘密の親密さのもとに、味わうことができるというのは、嬉しいですね。このところ、こういう機会が続きます。ありがたいこと。
 
 友人から来たメールでは、わたしの雑誌『午前四時のブルー』、Amasonでとんでもない値段で売られているとか。東京の本屋には見つからないとか、いろいろ聞きます。どうなってるんでしょう?
版元にもいまは在庫がないのだとか。でも、そのうち返品の山なのでしょうか?
 こちらは、そろそろ次号のライン・アップを考えなければなりません。今週の金曜夜は、ご案内したとおり、神楽坂モノガタリのイベントです。國分さんとの対談。よろしければどうぞ。

 とひたすら楽しく遊んでいるだけのように思われるかもしれませんが、じつは、『未来』誌の連載原稿で四苦八苦。今回は、第三幕突入ということで、村上春樹を取り上げたのですが、どう「料理」したらいいのか。振り上げた「包丁」がなかなか下ろせません。
 やれやれ、と春樹的科白を呟きつつ、さあ、チェックアウトの時間までは原稿に取り組まなければ・・・・

 
 
 


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