破急風光帖

 

★   日日行行 (113)

2017.10.07

* 昨夜は、ホテル・オークラで行われた「小林秀雄賞」の授賞式・祝賀会に出席。國分功一郎さんの『中動態の世界』(医学書院)の受賞をお祝いしました。

 スピーチのなかで國分さんは、ジャック・デリダの「わたしは哲学を愛するから」という言葉を引用しつつ、選考委員長の加藤典洋さんが言った「批評」(小林秀雄賞なのですから当然なのですが)という言葉に対して、自分がやっているのは「哲学」だと応答したのですが、それを聞きながら、國分さんとは2世代歳が違うのだけど、わたしもまたデリダ的なディコンストラクションの「批評=哲学」をやってきたのだと思い、そうなると、わたし自身はあまり開花しなかったが、駒場という「哲学の庭」でデリダ的センスを受け継いだ「哲学の木」がこのように育っているんだ、と感慨深いものもありました。UTCPという哲学の場を駒場で必死に保持してきたことが、このように実るんだよなあ、と勝手に我田引水。
 その後のパーティの席上で、旧知の多くの編集者の方と久しぶりにお会いしたり、またはじめてお目にかかった甲野善紀さんから、つい最近の「気づき」としての身体技法の「極意」のお話しをきけたのが、わたしにとっては、またとても楽しかったですね。
 わたし自身の生き方も、考えてみれば、まったく「中動態」的なんですけどね、誰もそうは言わないかな?


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