破急風光帖

 

★   日日行行 (109)

2017.09.24

* インドから帰国したのは18日夜でしたので、すでに6日ほど前。だが、これほどの疲労感に襲われた旅は近年思い出せません。帰路、若干の咳と発熱はあったが、とくに病いにたおれたわけではないのに。わずか現地4泊なのに、激しい旅でした。

 行った場所は南インド・ケーララ洲のマリシュワラ山のなかにある、駒場の友人でもある演出家のシャンカルさんが独力で立てたサヒヤンデ劇場。そこでワークショップを行い、パフォーマンスをして、晴れ間に山の上にある少数民族の部落を訪れたりしただけです。でも、モンスーンの雨期、十年に一度という大雨が降り、帰る日の朝、道路が寸断されて交通途絶。シャンカルさんの劇場の周囲も土砂崩れが起り、前夜、わたしがパフォーマンスを演出した舞台が泥に埋まる、という事態。これまで、駒場で何度もみなさんといっしょに海外への研修旅行を行ってきましたが、これほどの危難に遭遇したことは一度もありませんでした。さいわい昼には道路も復旧し、全員無事に帰れたのですが、いまだに心の、肉体の衝撃からは回復していません。激しい、激しい旅でした。
 この旅は何だったのか、自問自答は続いています。ひとつの季節の終りなのか、なにかのはじまりなのか。きっといつか小さなテクストを書くと思いますが、いまは受けとめきれていません。わたしにとって、想像を超えた「意味」があった旅だと確信していますが。


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