破急風光帖

 

★  日日行行 (89)

2017.05.04

* 昨夜(5月3日)は、ベルリンから来たトビアス・チェンさんと会食。かれも、家族の関係もあって毎年、日本にやってくるとかならず声をかけてくれて、下北沢でお酒を飲むことになっています。もう10年くらいかな。

 昨夜はおたがいに自分のやっている仕事の話しをしましたが、かれのほうは、モデルニテの誕生を、専門である科学史のほうから攻めていて、その広大な三部作の話しが中心。もちろん、わたしのほうもただ聞いているだけではなく、その仕事の中心概念である「自己破壊」とか「労働」についてきびしいクリティークを展開したりして、おいしい刺身を食べながらではあるが、応酬があって、それが楽しい。こちらも、進行が遅れている「四元数」マトリックスにかかわる仕事について語ったりしました。次はこちらがベルリンに行ってみようかな。ベルリンという街は、どうしても地元のガイドが必要な街だと思うので。そうそう、昨日も、ベンヤミンの書いているティーア・ガルテンをどうしても見たくて、42歳くらいだったか、パリに招待してくれた日本経済新聞に無理を頼んで、パリに行く前にベルリンに寄らせてもらったときの「わが最初のベルリン」の話しをトビアスにしました。あれからすでに四半世紀の時間が流れたのか、と思うと夕方、道にまよって「入相の鐘」みたいな気持ちになりますね。そうだ、今年のはじめにひいた「歌占」は、まさにそのカードだったし。
 このブログを書き終ったところで、トビアスからもお礼のメールが来たのだけど、そこには、「大地と空、海と山とのあいだに広がったわれわれの夕べ、とてもすてきでした」と書いてありました。やっぱり「詩」ですね、言葉と言葉のあいだに飛び散る「火花」というのは。「世界の魂」の話しではあったのです。
 


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