破急風光帖

 

★ 日日行行 (45)

2016.06.23

 6月21日が夏至。この日、『表象文化論講義 絵画の冒険』の見本を手にとることができて、わたしにとっては、大いなる区切りの時でありました(来週には書店に並ぶと思います)。3500円と高めになってしまいましたが、本の性質上、図版も多く、カラー口絵16ページもありますので、ご容赦ください(口絵部分だけでも本書のダイジェストになっています)。

 その日のランチは、駒場のレストランで、北京航空航天大学の李先生一行と会食。大学における「教養教育」のあり方について意見を交換しました。これは、王前さんのはからいでしたが、楽しい時間をすごしました。わたしとしては、この20年あまりで世界の文化が根本的に変化したのに、大学のとりわけ教養教育がそれに対応する形をいまだに見出せないでいる現状から出発して、いまや「人類」という文化への視点をどう構築するかにかかっているということを述べたつもりです。北京航空航天大学は、ロケット技術などを専門とする科学技術系の大学なのですが、その若い先生方が、教養教育のあり方をもとめて、日本にまで調査にいらっしゃるその熱意に圧倒されました。この認識の差はなになのでしょう?われわれの大学はいまのままでいいのか?若い先生方はどう考えているのか?複雑な思いが交錯したランチではありました。
 そう、その日は、午後は、わたしが理事をさせていただいている三宅一生デザイン文化財団の理事会でいつも若い一生さんにお会いし、夜は、同じミッドタウンで開かれた、フランソワ・ビゼさんと詩人の高橋睦郎さんの、ビゼさんの御本『文楽の日本』をめぐっての対話を聴衆として聞かせてもらいました。
 なかなか激しい夏至の日。さあ、転回しなければ・・・!

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