破急風光帖

 

★ 日日行行 (27)

2016.03.16

昨日は、新国立美術館で「MIYAKE ISSEY展(三宅一生の仕事)」の内覧会でした。展覧会のオープニングとしてはこれまで見たこともないほどたくさんの人が集まりびっくりでした。素晴らしい展覧会です、ぜひごらんになってください。

 わたしにとっては、三宅一生さんは、そう、「星」ですねえ。20年以上前に駒場にお招きしたときの感動(『大学は緑の眼をもつ』のなかにそれに関するテクストがあります)がいまでもずっと続いています。その姿がまったくぶれないし、変わらない。クリエーションをするということがどんなことなのか、ほんとうに勉強させていただいています。今回の展覧会の分厚いカタログに、短い文章を寄せさせていただきました。光栄なことです。プリーツについて、ちょっと詩的な文章を書きました。最近、文章がますます(ある種)ポエティックになってきています。...そろそろ歌ってもいいのではないか、最近のわたしの自分自身への「呟き」です。
 19日にパリで行われる「フレンチ・セオリー・イン・ジャパン」のシンポジウムのために、明日深夜の便でパリに向かいます。今回は、きわめて短期の滞在。

 そうそう、昨日、ある人からメールをいただいて、このブログのジョエルの訃報を読んでくれて、You-Tubeにある、2010年のイスラエル訪問の映像(『どこにもない場所のための祈り』早尾さん撮影、西山さん編集)を見てくださった、と。そうでした。あれがあったと、昨夜、わたしもあらためて見ました。そして、あの旅の「光」と言語にすることのできない「感情」、「感覚」、まさに「非・場所」の「場所」の狂暴にして聖なるカオスを思い出しました。でも、わたしが下手な英語で発表しているそのすぐ傍で、ジョエルがサンドイッチを食べていたりする、そんなシーンをみつけて、泣きながら微笑むようなことも。やはり映像をきちんと編集して残しておくということは大事ですね。
 


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