破急風光帖

 

★ 日日行行 (8)

2015.11.24

★ 11月14日(土)の朝、飛び込んできたパリの事件のニュースは衝撃でした。さいわい、わたし自身の知り合い関係者には、直接の犠牲者はいませんでしたが、そのような日常の次元を大きく超えて、一言ではまとめることができない衝撃に打ちのめされました。

 実際、その日の夜から、咳がとまらず体調不良。それはいまでも続いているのですが、毎年恒例の夏の体から冬の体への切り替えがうまく行かない問題に加えて、(友人の整体師にも指摘されましたが)左右の骨盤がアンバランスになるような身体的な表現としてもその衝撃は現れているようです。また、そういえば、数日前には、なぜかフランス大使館へ行く道ということになっている、パリではなく東京であるような道で、新聞紙に包まれて隠された銃をもった見知らぬ男が、わたしの方に向かって、銃を乱射するという夢を見たりしました。銃口は発光するのを見ながら、もうだめかな、と思ったり、いや、これは倒れて死んだまねをするほうがいいのか、と考えているうちに目が覚めましたけれど。自分の意識が自覚している以上に、自分にとっての衝撃が深いことを思い知らされています。
 凡庸な意見をここで述べるつもりはありませんが、われわれの世界が、また未曾有の、予測不能のカタストロフィー的カオスに突入しつつあることを感じずにはいられません。

 その日の午後、駒場で、久しぶりに山田せつ子さんとのIHSプログラムを行ったときに、その不安を振り払うようにか、即興で「炸裂的に」ダンスをした。そして、たんにその汗をかいた体をそのままにしておいたからなのかもしれませんが、その日の夜から、咳がはじまりました。「危機」の時代、いくら老体とはいえ、もう少し強靭さを身につけなければなりません。「もっと力を」ではなく、「もっとしなやかさを」ーーーー《秋の身体》こそ、その鍵であるようです。


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