破急風光帖

 

★ 秋の旅日誌(4)

2015.09.12

 ロンドンは昨日もとびきりの快晴。青空の下、まずはみなさんといっしょにテート・ブリテンへ。ここでは、ターナーを中心に、ウィリアム・ブレイク、コンスタブル、そしてまたベーコンなどを。ターナーの美しい水彩画に心奪われます。ターナーについて少しトークをする予定でしたが、問題提起だけ。あとはこちらのキュレーターの方とお茶をいただく親密な時間があって、こういうアレンジができるところが、このプログラムの素晴らしいところ。大石さんがもつ「友情」のネットワークがフルに活かされています。

 そのキュレーターの人のお話しでもそうでしたが、ロンドンは、前回のオリンピックを契機に、すっかりかわって、グローバル・ロンドンになったのだ、と。そう、それが、今回の実感です。街もきれいになったし、なによりも超現代的な建物がたくさん建ち、工事中も多く、人も変わっている。たしかに、新しいロンドンの姿がそこにはあります。テートのあとに、ヴィクトリアまでぶらぶら歩いたのですが、そこで高層ビルの建築ラッシュで、わたしの知るヴィクトリアの雰囲気がまったくなくなっているのに、びっくりしました(サムネールはその写真です)。果たして、東京は、オリンピックを契機に、そのようなグローバル化という脱皮を行えるのかどうか、21世紀の勝負なのかもしれません。(わたし自身は、かなり難しいのではないか、と悲観的ですが)。

 午後は、ホテルの会議室で、大石さんの二人の友人、作家とロマン主義研究者の講義。そのあと打ち上げのレセプション。で、ロンドンの公式スケジュールは大成功で終りました。素晴らしい研修だったと思います。


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