破急風光帖

 

★ 風光三昧(5)

2015.06.26 Permalink

★ 今週23日24日と山形へ。生まれてはじめてでしたが、まさに「山山」に囲まれた穏やかな風光、緑の大地に心あらわれました。東北芸術工科大学への訪問です。40年来の友人の染織アーティスト辻けいさんのお招きで、学生たちを前にして短い講演と対話。わたしの近著の『君自身の哲学へ』から出発してそれを「芸術論」へと展開したかたちになりました。

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★ 風光三昧 (4)

2015.06.19 Permalink

★ 先週の日曜日(14日)、花園神社の赤テント・唐組公演を観に行きました。演目は「透明人間」(初演ヴァージョン)で、この日が東京公演の「楽」。『未来』誌上で連載しているオペラ仕立ての戦後文化論でもまさに「68年」を書いたところでもあり、あの燃え上がる「68年新宿」の劇的な空間がそのまま現代の時空のなかに、その根源的な問題意識をたもったまま生き続けていることになにか感謝に似た感情が湧いてきます。

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★ 朋朋偶来(1)

2015.06.12 Permalink

 今週、パリから小包が届きました。あけると、なんと560頁もある分厚い書籍。UTCPにも来ていただいて連続セミナーを行っていただいた哲学者のアラン・ジュランヴィル Alain Juranville さんの新著です。Les cinq époques de l'Histoire (cerf-α)翻訳すれば、『歴史の5つの時代』ということになるか。なにしろ副題が、Bréviaire logique pour la fin des temps (時間の終わりのための論理的な聖務日課祈祷書)というもの。

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★ 日日行行(1)

2015.06.11 Permalink

さて、風光に酔っているだけではいけない。少しは「仕事」の話をしなくてはならない。
「仕事」ということになると、現時点では、駒場を退職するまえに終えておかなければならなかったことを、なんとか終わらせること。最大のものは、もう長いあいだ取り組んでいる絵画論あるいは表象文化論のテクストです(この夏には脱稿します、と決意表明)。そして、ここ二年ほど未来社の『未来』誌上で連載している日本の戦後文化論。今日は、その後者の第17回目の原稿を校了したところ。「オペラ」という形式を方法化して、ある種の諧謔ないしアイロニーとともに、敗戦後から1970年までの日本の文化における「肉体」の「運命」を論じているものですが、ついに1968年というクライマックスへと到達したところです。

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★ 風光三昧(3)

2015.06.05 Permalink

★ 今週は梅雨の前の青空のイメージかな。
月曜には、わたしが選考委員をつとめている、シャンパーニュ委員会のLa joie de vivre(生きる歓び)賞の授賞式がありました。千住博さん(画家)、明さん(作曲家)、真理子さん(ヴァイオリニスト)の芸術三兄弟が受賞者でした。わたしは乾杯の発声を頼まれて、咄嗟に、日本語で「かんぱーい」と言うよりは、フランス大使公邸なのだから、全員フランス語で行こうと提案、みんなで「La Joie de vivre!!!!!」と叫んだ次第。joieという言葉の一音節の爆発力に、「よ・ろ・こ・び」という日本語の母音が流れる音にはない響き(意味!)を感じてもらいたいというのが、わたしの趣旨だったのですけれど…‥

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