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【関連イベント】魅惑するナショナリズム──文学・批評からの応答

終了しました
Date:
2017年11月3日(金・祝)14:00-17:30 (13:30開場)
Place:
東京大学駒場キャンパス18号館ホール

2016年、反グローバリゼーションの潮流が世界を呑み込んだ。イスラム原理主義勢力によるテロは一向に収まる様子を見せず、それどころか、EU離脱をめぐるイギリスの国民投票、およびアメリカ合衆国の大統領選挙の結果は、いわゆる先進地域においても、グローバル化に反撥する人々の声が強まっていることを強烈に印象づけた。現状への不満の捌け口として、原理主義やナショナリズムに魅了される人々が増え続けている。同様の現象が日本でも生じていることは、いまさら指摘するまでもない。

その結果、20世紀後半からリベラルな文化人が共有してきた信条、すなわち、多様な民族・宗教・文化への尊重が、試練に晒されている。閉塞した状況への不満がナショナリズムを高揚させ、全体主義の台頭を生んだ1930年代が回帰しているようにも見える。このような状況だからこそ、ナショナリズムと文化・批評の関係を再考することは急務であろう。

果たして現代の文学者・批評家は、どのような立場から、いかなる言葉を発するべきなのか。ルイ=フェルディナン・セリーヌ、三島由紀夫など、ナショナリズムに接近した文学者の仕事を検証し、ナショナリズムの今日的な意味を再検討しながら、この困難な問いに対峙したい。

日時:2017年11月3日(金・祝)14:00-17:30(13:30開場)
場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール
入場無料
事前登録不要
一般の方も聴講可

講師および演題
アニー・デュトワ&ヴェロニク・フランバール=ワイスバート「モンマルトルの怪物──セリーヌ『またの日の夢物語』の朗読と批評」
平野啓一郎「三島由紀夫の共同体像」
中島京子「睦子さんのナショナリズム」
大澤真幸「季節外れのナショナリズム──「愛国」の意味の逆転」
片山杜秀「ファシズムとロマン主義とリアリズムという「三本の矢」」
司会
武田将明

発表の一部はフランス語・英語(通訳つき)
発表後、ディスカッション

講師・司会プロフィール
アニー・デュトワ アーティスト。1930年代フランスにおける反ユダヤ主義文学の研究で博士号(コロンビア大学)。音楽劇のプロデュースや出演もおこない、広島・長崎での平和コンサートにも参加している。

ヴェロニク・フランバール=ワイスバート フランス文学者。ロヨラ・メアリモント大学教授。セリーヌを研究し、アニー・デュトワとの朗読パフォーマンスもおこなう。

平野啓一郎 作家。作品に『日蝕』(1998:芥川賞)、『決壊』(2008:芸術選奨新人賞)、『マチネの終わりに』(2016)など。

中島京子 作家。作品に『FUTON』(2003)、『小さいおうち』(2010:直木賞)、『長いお別れ』(2015:中央公論文芸賞)など。

大澤真幸 社会学者。著書に『ナショナリズムの由来』(2007:毎日出版文化賞)、『自由という牢獄──責任・公共性・資本主義』(2015:河合隼雄学芸賞)、『憎悪と愛の哲学』(2017)など。

片山杜秀 政治学者。音楽評論家。慶應義塾大学教授。著書に『近代日本の右翼思想』(2007)、『音盤考現学』(2008:サントリー学芸賞)、『未完のファシズム──「持たざる国」日本の運命』(2012:司馬遼太郎賞)など。

武田将明 英文学者。東京大学准教授。著書(共著)に『「ガリヴァー旅行記」徹底注釈』(2013)、訳書にデフォー『ペストの記憶』(2017)など。

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主催
科学研究費基盤B「世界文学の時代のにおけるフィクションの役割に関する総合的研究」(研究代表者:武田将明)


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