Events / イベント

« 前へ | 次へ »
Title:

公開共同研究「歴史哲学の起源」 カタルシスと崇高――ベンヤミンにおける詩学と歴史哲学

終了しました
Date:
2009年7月23日(木) 16:30-18:30
Place:
東京大学駒場キャンパス101号館2階 研修室 [地図]

講演者:森田 團(UTCP)

昨年度、短期教育プログラム「歴史哲学の起源」は、中期教育プログラム「時代と無意識」と共同して活動を行なってきた。今年度は「歴史哲学の起源」の独立した研究会も開催していくつもりである。その第一回として、「カタルシスと崇高――ベンヤミンにおける詩学と歴史哲学」と題した研究発表会を行なう。

昨年度来、「歴史哲学の起源」は、生の自己解釈の枠組みとしての歴史哲学が、ギリシア起源のコスモロジー的思考とユダヤ起源のエスカトロジー的思考の絶えざる交叉、配分によって生成してきたことを、ハイデガー、ベンヤミン、ディルタイ、シュミット、ブルーメンベルク、タウベスなどの哲学を俎上にあげながら示すことを試みてきた。今年度は、引き続きこのような大きな枠組みを堅持しつつ、そこで生じるより具体的な問題を扱う。そのような問題として、今年度は1. 歴史哲学とギリシア悲劇解釈、2. 歴史哲学と予型論(あるいはタイプ論)との関係を、主要な対象にする予定である。

今回は、まず歴史哲学とギリシア悲劇解釈(あるいは歴史哲学と美学)を中心に、今年度のテーマについて、その問題設定を簡単に説明したのちに、上記表題の発表を行なう。

発表の中心的な主題は、「ゲーテの『親和力』」(1921/22)において、ベンヤミンがゲーテの「アリストテレスの『詩学』についての補遺」(1827)を参照しながら問題とする「震撼 Erschütterung」の概念と、その関連で言及されている崇高概念との連関である。震撼と崇高が言及される際にベンヤミンが引用するゲーテの詩学論がカタルシスについての解釈を展開したものであることを手掛りに、おそらくベンヤミンが知っていたと思われるヤーコプ・ベルナイスのカタルシス解釈を参照することを通して、ベンヤミンの崇高概念がカタルシス(ないしはその必要不可欠な構成要素としてのエクスターゼ)と深く関わることを示し、最終的には、美と崇高が美学的な概念ではなく、歴史哲学のもとで理解されうる概念として再解釈されていることを明らかにしたい。

【報告】


« 前へ  |  次へ »
  • HOME>
    • Events>
      • 公開共同研究「歴史哲学の起源」 カタルシスと崇高――ベンヤミンにおける詩学と歴史哲学
↑ページの先頭へ