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【報告】世界儒教会議

2017.11.17 梶谷真司, 中島隆博, 石井剛, 佐藤麻貴

京都大学で11月3日~4日の二日間、世界儒教文化会議(World Consortium for Research in Confucian Cultures: Confucian Modernity as Japanese Experience in East Asian Conference)が開催された。参加者は中国、韓国、台湾、香港、アメリカの各国から、また日本からも京都大学をはじめ東京大学、大阪大学、二松学舎大学、大妻女子大学など、様々な大学に所属される先生方、総勢24名が一同に集った。儒教文化について、日頃の研究成果を発表しあう素晴らしい会議となった。

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各先生方の発表内容は、「儒教と近代日本」に限定されることなく、日本における儒教解釈の変容とその影響、アジア諸地域における儒教解釈や儒教文化の歴史、儒教文化と西洋、儒教文化とフェミニズムなど多岐にわたる研究成果が発表された。二日間、計7つのセッションが開催され、中国、韓国、台湾、日本における儒学の解釈の異なりも然ることながら、それぞれの地域や場所における朱子学派と陽明学派との対立、また、朱子学派、陽明学派内での解釈の違いなど、儒学の歴史過程における解釈の変遷とその実社会への応用の違いなどの研究が発表され、それぞれのセッションについて参加者全員で議論がなされた。

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東アジアにおける近代儒教の取り入れ方、受け止め方は多岐多様にわたる。二日間の会議開催期間を通して、儒学解釈研究のみならず、儒学を受容した文化の歴史研究など、普段の儒学の哲学的解釈とは異なる視点から論じられる儒教の研究発表を伺う機会は貴重であり、時代や地域の特異性を超えた儒学の広がりを実感することができる、大変興味深い会議であった。

(文責:佐藤麻貴)


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