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時の彩り(ラスト・ラン) 171

2014.11.11 小林康夫

★(『週刊現代』)
 今週11月10日発行の『週刊現代』にわたしの取材記事が掲載されました。本来は、東京大学の停年退職にあたって、わたしが「最後に語りたいこと」という趣旨の取材でした。「教養」ということを中心にお話しして、それはまあ、忠実に記事になっているのですが、タイトルがびっくりしましたね。週刊誌というものはそういうものか、とあらためて認識した次第。万一すでにご覧になった方々で驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしが了解したものではありませんよ、と申し上げておきます。

★最後の学期となった今学期、わたしにとっていちばん貴重なのが、1、2年生向けの総合科目「現代哲学」の授業です。駒場で教えはじめてからすでに30年近く、その経験のなかからわたしが自分の言葉で、若い学生たちに、語りたいと思い、語れることとはなになのか、ということを自分に問うためにやっています。それは必然的に、哲学、いや、わたしの言葉ではPhilo-Sophiaを実践することになる。既存の知識を教えるのではなく、純粋に(なんて不可能なのですけどね)わたし自身の内側から湧き上がってくる「語る言葉」を見届けてみたいというだけなのです。「実存」からはじめる、と宣言して、それでも一応は、それに至る、多少は歴史的な展望を説明する前提段階を駆け抜けるように終えて、先週から、いよいよわたし自身の思考を語りはじめたところです。
準備をすることより、そのときに、どういう言葉が自分から出てくるかに賭ける即興演奏、Jazz風のBalladeです。実際、Coltrane のBalladeを主題歌として毎回、流しています。

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