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時の彩り(つれづれ、草) 084

2009.10.29 小林康夫

 ボルヘス夫人と会う

で、月曜の夜、赤坂のあるレストランでわたしを含めて3名でボルヘス夫人と会食。

マリア・コダマ・ボルヘスさんは、知的な、意志の強い、飾り気のないしっかりとした女性で、日本語は勉強しはじめているけどまだ自由ではないというので、会話は英語のときもあるが主にフランス語。というわけでわたしにはリラックスできる楽しい会でした。

いろいろな話題が飛び交いましたが、こちらもこういうときはミーハーになって「ボルヘスさんの好きな音楽はなにでした?」とか訊ねて、そのたびごとに楽しい挿話もうかがうことができ嬉しかったですね。ボルヘスの蔵書のほとんどが、文学ではなく、哲学、自然科学、宗教などの本であったこと、ひとつひとつについて手書きのメモが残されていることなどを知りました。

本来年の春に、彼女が撮った写真を中心に「アトラス」なる展覧会も企画されているようで、そのときにはUTCPにお招きすることを約束しました。

また、わたしの『知のオデュッセイア』ももらっていただきました。ブエノスアイレスのボルヘス財団の図書室に入れていただけるとのこと。わ~い。ほんとうに創造的な仕事をする人には、彼女のような「勇気のある」身近な援助者が絶対に必要。西欧の歴史の向こう側に突き抜けたボルヘス・・・そのことを強く思いました。


 Mitaka

先週のジュンク堂のイベントでもご紹介しましたが、最近、わたしが魅せられているのが、三鷹にある国立天文台が作った「Mitaka」という全宇宙の立体シミュレーション。マウスをぐるぐるまわすだけで、地球から137億光年の宇宙の果てまで「旅」できる。

いまのところ毎日、一度、ダウンロードした「Mitaka」にアクセスして、いま!、わたしがいる場所を「確認」する儀式を行うようになってしまいました。おすすめソフトです。月や木星など他の惑星にも「着陸」できます。土星の輪がなかなか美しい!このようなわれわれの「現実」!のヴィジョンを家で珈琲カップ片手に「見る」ことができるということに戦いてしまいます。

Mitaka:
http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/

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