宮本久雄さんの特別講演「ヘブライイズムからみた他者論――モーセ物語を手がかりにして――」の指定討論者という役割を与えられて、宮本さんのハヤトロギア――いや、いまではそれはエヒイェロギアへと進化しているのだが――を全体的にコメントすることなどできようもないので、その立論の中心にあるモーセの物語に対して、宮本さんの角度とは異なる角度からの性急な読解を対置的に述べることしかできなかった。