いまだに現実的には、繰り返され続けていて、いっこうに廃棄されえないこの機構の存在論的な限界に対して、いかにしてそれとは異なる、差異の、あるいは他者の倫理、ないしは「存在を超えるもの」、「存在とは別なもの」を見出すか――それこそが、現代の哲学が引き受けた使命であったと言ってもいいだろうか。