いかなる超越性とも無縁のあまりにも即物的なこの終末──たとえば食物や大地はおろか水もひょっとすると空気すら商業の対象、ということは資本主義のシステムのもとでの商品とならざるをえないような☆1、あるいは最近のメディアの報道によれば男性性そのものが遠くない将来に消滅するかもしれないと言われているような、すでにはじまっているこの終末──のあえて「主体」というならば☆2、それはもはや個人でも民族でも国家でもなく、ただ人類という種以外のなにものでもない。