☆4 出来事が演出できたのかどうか、わたしが言うことはできないが、少なくとも形式的な挨拶という予期を転覆させたことは確かだろう。キム先生はたいへん喜んですぐに握手を求めに来てくださった。一瞬でもいいので、心が触れ合うという感覚が起こらないと学会という場も虚しいものになる。あとでこの三国とは異なる国からやって来たある若い外国人が言っていたが、まさにパッションこそが問題であったのだ。パッションを示すというか、露呈するということに対して臆してはいけないのだと思う。なお、のちのレセプションで韓国の若い研究者たちがこの梟の歌を歌ってくれた。静かな曲と思っていたのに、歯切れのいいリズミカルなリトルネロであった。