キムさんは、この童謡のなかに、「家の内/家の外」、「寒/暖」、「動物の声/人間の話」、「大人/子ども」などの人間の文化を成立させている根源的な二分法を読み取り、そこから出発して、もうひとつ別の、二十世紀初頭の詩人・金素月の詩を経由しながら、両者に共通して現われる「夜」というメタファーにわれわれの時代の危機を重ねあわせるという論の進め方。