もちろん、この政治を人文科学の仕事のなかで具体的にどのように「想像する」か――パリのフォーラムの場では、司会のコメントという枠のなかで、思わず語りだしていたというだけなので、その論理をもっと詳しく追跡することはこれからの課題ということになるが、しかし同一性の自閉的な論理にも、また、反対に、絶対的な他者(一なる他者)との(不可能な)関係の論理にも陥らずに、つねに開かれた複数の、そして複雑な自他関係を絶えず横断し、組み換えていこうとするべきだ、ということだけは言えるだろうか。