現在の歴史状況における「大学の危機」は、それぞれの国によってそれぞれの伝統や政治によって無視できない差異を含んではいる(たとえば私立大学がほとんど存在しないフランスと日本の状況を一概に同じ視角から論じられるわけではない)が、一般的には、惑星規模で進行する「一般化された競争」というグローバリゼーションのダイナミズムに大学が避け難く巻き込まれるという事態に由来する。