これにはもちろん伏線があって、この2008年10月ブエノスアイレスの国立図書館で行なわれたパリの国際哲学コレージュ、ブエノスアイレス大学、われわれのUTCP共催の、人文科学の危機に関するシンポジウムで行なった発表で、ここ二、三年考えていたことだが、やはりいま、人文科学、つまり「人間の思考」が「人間」というその根本理念そのものを超え出ていかなければならない歴史的な必然があるのでは、と問いかけたということがある。