それはおそらく、その先には「生きとし生けるもの」すべての歴史、佛教の言葉で言えば「一切衆生」の歴史、つまりは生命の歴史という次元が開かれるのだと思いますが、歴史の現時点においては――ようやくそれが明確に立ち上がってくる時代になったと言っていいでしょうが――地球上において、テクノロジーという特別な力をもつことによって生態系を破壊し、他の無数の生物種を絶滅させ、しかもいまだに人間相互においてすら、無慈悲で残酷な殺戮をやめることのない、すぐれて「暴力の種」homo violensである「人類」の歴史です。