地球環境の危機、遺伝子工学を通じて存在そのものにまで手をつけるテクノロジー、膨大な量のエネルギーの消費、際限なく膨張しつづける資本の欲望……これらはいかに人間が、みずからの世界を、単に「意味」としてではなく、「現実」として、構成しているのかを示すものですが、しかし同時に、こうした高度なテクノロジーによる世界構成が、人間の存在そのものを危うくし、外からの終末ではない、人間の内部からの終末、つまりこう言ってよければ「神なき終末」を準備しているのです。