もちろんニーチェの思考の磁場のなかでの問題設定だが、ある意味では、ベンヤミンが一生をかけて追い求めたものとは、当時すでに失われつつあったこの自然との「幸福」の結びつき(アウラ)を、歴史の認識の原理として展開することであったように思われる。