宮本さんは、「出エジプト記」における注目点のひとつに「なぜ奴隷の民に過酷な荒野の漂泊を40年もの間課したのか」という問題をあげているが、意味のない「荒野の漂泊」というこの「空白」こそが、まさに「ルーアッハ」の効果そのものなのだ。